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みなさん, こんにちは. 今回はちょっと息抜きということで面白い数学のネタを紹介します.(文章はネタ入ってますが, 数学のところはまじめに書いてますのでご安心を)

先月数学のネタを探していたところ, なんとミスドのポンデリングを数式で表してしまった人がいるようです!

ネットで話題になっていたのですが, さっそくその数式を見てみました!やはり世の中のすべては数学でできているのでしょうか. それにしてもこれはすごい!

私は週1回ほどミスドに行くミスドユーザーなのでこういう話題は非常に興味があります.ちなみに一番好きなのはココナツチョコレートです!ポンデリングじゃないんかい!(笑)

しかし, ポンデリングと言っても所詮はドーナツ. さて, ドーナツというとそう, 思い出すのはトーラスという曲面です.

トーラスって?

トーラスとは, ドーナツを数式化したいわゆる”食べられる数式”の一種で, (\sqrt{x^2+y^2}-R)^2+z^2=r^2で表されます.

これは, xz平面上の円C=(x-R)^2+z^2=r^2 (R>r>0)をz軸の周りに回転させることによって得られます.

一応証明しておきます.

証明) トーラス上の任意の点Pは{\rm P}=(x,y,z)とおくと

    \[ \begin{cases} x=(R+r{\rm cos} \phi)\ {\rm cos} \theta \\ y=(R+r{\rm cos} \phi)\ {\rm sin}\theta \\ z=r{\rm sin} \phi\ \ (0<\phi,\theta<2\pi) \end{cases} \]

となります.
まず, x,yの式から\thetaを消去して
x^2+y^2=(R+r{\rm cos}\phi)^2.

よって, 0<r<Rのとき, -R<rcos\phi<Rなので R+rcos\phi>0より両辺のルートを取って

\sqrt{x^2+y^2}=R+r{\rm cos}\phi.

また, \sqrt{x^2+y^2}-R=r{\rm cos}\phi, z=r{\rm sin}\phi,

r^2{\rm cos}^2 \phi+r^2{\rm sin}^2 \phi=r^2,

r^2{\rm cos}^2 \phi+z^2=r^2,

r^2{\rm cos}^2 \phi=r^2-z^2,

r{\rm cos}\phi=\pm \sqrt{r^2-z^2},

よって, \sqrt{x^2+y^2}-R=\pm \sqrt{r^2-z^2}.
両辺を2乗すると
(\sqrt{x^2+y^2}-R)^2=r^2-z^2.

したがって, (\sqrt{x^2+y^2}-R)^2+z^2=r^2が得られる.(Q.E.D)

さて, ではポンデリングの数式の発表です!

その数式は、

    \[ \left(\sqrt{x^2+y^2}-8-\Biggl|\left(\frac{x^2-y^2}{x^2+y^2}\right)^{2}-\frac{1}{2}\Biggr|\right)^{2}+z^2=\left(2+3\Biggl|\left(\frac{x^2-y^2}{x^2+y^2}\right)^{2}-\frac{1}{2}\Biggr|\right)^{2} \]

です!
なにやら絶対値やでかい分数式やらたくさんあって複雑そうですね. 実際, この数式自体書くのに苦労しました.

しかし, この数式をよくみてみると何かに似てませんか?そうです, さきほどのトーラスの式です.

ということはさきほどのトーラスの式に

    \[ R=8+\Biggl|\left(\frac{x^2-y^2}{x^2+y^2}\right)^{2}-\frac{1}{2}\Biggr|\right), \]

    \[ r=\left(2+3\Biggl|\left(\frac{x^2-y^2}{x^2+y^2}\right)^{2}-\frac{1}{2}\Biggr|\right) \]

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を代入するとできるということです!

発想的にはドーナツに似ているトーラスを利用するのですが, このR, rを変化させるところが難しそうで試行錯誤が必要だと思われます.

この数式を発表した人は3時間で作ったとのこと. よくそんな早くここまでポンデリングにしか見えないものを作ったものだと思いました.

しかも, 一つの数式で表されているところが綺麗ですね!これはポンデリングが対称形だから一つの式で表せたと思います.

最後にポンデリングを作ってみよう!レシピが公開されているので解説します。高校数学でできるのが面白いですね!

まず, 正葉曲線r=a {\rm sin}(n\theta)r=a {\rm cos}(n\theta)を参考にします.

まずポンデリングの外側の輪郭は, r=10+2{\rm cos}(4\theta)とすると半径10の円に対し山が4つ、谷が4つできることになります.

ポンデリングは山のみなので反転させるために絶対値を利用し, r_1(\theta)=10+2|{\rm cos}(4\theta)|とすると山がちょうど8つできます.

同様に, 内側の輪郭はr_2(\theta)=6-|{\rm cos}4\theta|とするとよい.

さて、ポンデリングの外側と内側の輪郭がわかったところで三次元に拡張してみよう.

さきほどの(\sqrt{x^2+y^2}-R)^2+z^2=r^2を利用する.このR, rをそれぞれR(\theta), r(\theta)とおく.

あとはこのR(\theta), r(\theta)を求め、直交座標に置き換えればよい.
まず座標平面の中心をOとし, x軸に平行な直線を引きポンデリングとの交点を結び、そこから\thetaだけ回転させたところのポンデリングの下端をA, 上端をBとする. また, 線分ABの中点をMとする.
r_1(\theta),r_2(\theta)は輪郭の線なので, OA=r_2(\theta), OB=r_1(\theta)である.

すると, r(\theta)=AM=(OB-OA)/2=\{r_1(\theta)-r_2(\theta)\}/2,
R(\theta)=OM=OA+AM=r_2(\theta)+\{r_1(\theta)-r_2(\theta)\}/2=\{r_1(\theta)+r_2(\theta)\}/2.

よって, 計算するとR(\theta)=\{r_1(\theta)+r_2(\theta)\}/2=8+\frac{1}{2}|{\rm cos}(4\theta)|,
r(\theta)=\{r_1(\theta)-r_2(\theta)\}/2=2+\frac{3}{2}|{\rm cos}(4\theta)|

さらに, \rm{cos}(4\theta)=2cos^2(2\theta)-1=2\{cos^2(\theta)-sin^2(\theta)\}^2-1

ここでx=r {\rm cos} \theta, y=r {\rm sin} \thetaとおくと,

    \[ {\rm cos} (4\theta)=2\left(\frac{x^2-y^2}{x^2+y^2}\right)^{2}-1 \]

となるので,

    \[ \left(\sqrt{x^2+y^2}-8-\Biggl|\left(\frac{x^2-y^2}{x^2+y^2}\right)^{2}-\frac{1}{2}\Biggr|\right)^{2}+z^2=\left(2+3\Biggl|\left(\frac{x^2-y^2}{x^2+y^2}\right)^{2}-\frac{1}{2}\Biggr|\right)^{2} \]

を得る.

最後に, もしこんな問題が入試に出たら完全にパニック間違いなしです!プログラミング等が必修になればこういう問題もPCを持ちこませて解かせる時代になるのでしょうか?(笑)
まあその場合, 似たようなグラフは一通りではないので何をもって正解なのか謎です.

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