こんにちは。今回は、皆さんが疑問に思っているあろう数学科の大学院に進学するメリットについてお伝えします。
最近、数学ブログが大変なのでこんな記事が多いですが。
まずは大学院の前にそもそも数学科に行くメリットってあるの?って思いますよね?就職できなさそう、卒業研究に実験がなくて楽そう、個人プレーっぽいからコミュ力いらなそう、数学オタクや変人、奇人の集まりっぽいなど、いろいろなイメージがあると思います。(それの一部をメリットと思うかは別にして)
まず一番気になるのは就職でしょうが、数学科卒はいろいろな企業で重宝される傾向にあります。それは、数学という非常に抽象的な学問を4年間みっちり勉強してきたいわゆる地頭のよさを評価します。
ネットでは数学科卒で就職ない人がたくさんいますがあれは”数学科だから就職がない=内定がない”のではなく、コミュニケーション能力等の不足によるものでしょう。なので学部、学科が違ってもそういう人は結果は同じです。数学科のせいにしてはいけません。
そもそも頭がよくないと数学科は卒業することすらできません。いくら日本の大学が出るのが簡単だとはいえ数学科をなめてると痛い目にあいます。
特に高校数学が大好きな学生さん、高校数学と大学数学はまったく別物ですから高校の成績は関係ありません。数学オリンピックメダリストで東大数学科に進学した人でも落ちこぼれたそうです。
さらに授業は証明の連続で1授業が定理の証明のみで終わることもざらで、終わらなくて次回に持ち越すこともありました。授業が証明だけで終わるってさすが数学科ですね。
しかも証明ばかりの授業って眠くなりますよね(笑)しかもわからないから余計に。
授業によっては出席チェックを兼ねて演習がありますので、授業には出席するようにしましょう。基本的に15回の授業で5回以上欠席すると単位はありません。
ゼミに実験がなくて楽?
確かに深夜まで拘束されることはないのでその点は楽です。ただし実験ができない=なんとしてでも書いてあることを自分で理解しないといけないというプレッシャーがあります。
ゼミでは重箱の隅をつつくと言われるほどに先生からのツッコミが入ります。厳しいゼミだと資料を見ないでやらないとダメなようで記憶力も要求されます。
そしてツッコミの多い厳しいゼミに耐えられずに精神疾患を発症→退学することもめずらしくありません。
ここまで書いてもなお数学科に行きたいのであれば進学することをオススメします、ただし相当な体力、精神力が必要です。数学に使う体力はスポーツとはまた違うのでしょうが、数学は体力勝負です。基本的に入学後は朝から晩まで数学に没頭しなければなりません。
その点、私は優しいゼミでよかったとつくづく思います。なので、ゼミ選びは先生の人柄(性格)で選ぶのがベスト。ただし授業とゼミで性格が正反対(授業は優しいのにゼミは鬼授業)になる先生もいるので、3回生のときのセミナーで事前に希望する先生の性格をさぐるのがいいでしょう。ただ、そのセミナー選びも失敗すると半年ないし1年は地獄を見ますが。
私は3回生のときにそのトリックに騙され鬼授業に必死についていきました。題材は4回生が扱う内容だったのでよくついていけたなと思いました。
一日のスケジュールは?
授業が多い日は7時~9時と1限が自主勉強、2~4限が授業、5限が自主勉強というかんじです。私はだいたいこんな感じでした。普通、上位校(例えば東大)では9時~20時くらいまで大学にいます。東大院卒の先生は一日12時間ほど勉強していたそうです。
1回生のときが重要?
1回生のときが一番重要です。なぜなら1回生は授業もほとんどやっていないのでわからなくて当然です。なのでどんどん予習をしてわからないところはがんがん質問しましょう。
基本的に20時くらいまでは質問に付き合ってくれると思います。5限まであっても約2時間ありますね。
2回生以降は習ったところは教えてくれない意地悪な先生もいますので。私も予習はしてましたがあまり質問にはいかずに2回生以降苦労しました。
もっと質問に行ってればと後悔しています。
コミュ力はいらない?
これは半分正しくて半分間違ってます。というのも数学科で一番重要なのはセミナーやゼミといった少人数で発表をする授業です。ということは、コミュ力のない学生はまともに発表できないということになります。
ですがほかの理系学部のように実験がないので協調性が問われることはほぼありません。ですからそういう意味ではコミュ力はいらないでしょう。
ではここで本題である数学科の大学院に進学するメリットについて書きます。
数学科の大学院に進学するメリット
(1)一対一あるいはそれに近い形でみっちり鍛えられるため数学に没頭したという満足感が得られる。
(2)一対一に近いため質問をしやすい。どんどん疑問を解消して、賢くなれる。私は一対一だったため指導教員を質問責めにしました。本来は私が質問される立場ですが(笑)
(3)世界的に有名な先生のもとで研究ができ、コーヒー(私の場合はココア)を飲みながら研究をしたり論文を書くという貴族的な生活?ができる。
(4)論文は英語なので英語力がいやでもつく。
(5)修士論文を英語で書くと英語のライティング能力のアピールに。
(6)大学院の高度な授業で、こんな数学の世界もあるのかと感動できる。
次回はデメリットについて書きたいと思います!