大学、大学院で数学を専攻していた人による数学ブログへようこそ!
私は、大学、大学院ともに数学を専攻していたので他方面(物理、工学等)についてはまったくわかりません。
私は院卒ですが、一般的な数学系院卒と違って高校と大学の数学の違いに挫折(主な原因はεーδ論法とかいう諸悪の根源)した落ちこぼれです。
そこから猛勉強し大学院への推薦を勝ち取りましたが、その話を書くと長くなるので割愛します。割愛しても結局長くなりましたが(笑)
私が通っていた大学では、1回生前期で線形代数学(2コマ)、微分積分学(2コマ)、演習、英語(2コマ)、情報処理(必修)、教養科目、基礎科目
後期に線形数学(2コマ)、基礎解析学(2コマ)、数学論理、演習、英語(2コマ)、基礎科目、教養科目
2回生前期に線形数学、基礎解析学、群論、微分方程式、集合と位相、演習、英語(1コマ)、教養科目
後期に線形数学、複素解析学、群論、微分方程式、集合と位相、演習、英語(1コマ)、教養科目
3回生前期に複素解析学(2コマ)、代数学(環論。2コマ)、実解析学(2コマ)、幾何学(2コマ)、数理統計学、専門英語、医学概論(他学科)、演習(セミナー形式or一回生の演習の授業の解説)
後期に代数学(体論。2コマ)、実解析学(2コマ)、数理統計学、専門英語、物理数学(単位が楽に取れると評判だったので、単位のために他学科履修。)、演習(セミナー形式or一回生の演習の授業の解説)。
4回生前期が代数学続論、現代代数学、現代解析学、卒業研究(2コマ)、後期はほぼ卒業研究のみでした。
これは私の大学時代のプランであり、ほかの人は幾何を多めに取っている人や専門英語を取らない人、4回生のときにセミナー以外全く授業を取らない人などもいましたので参考程度に。演習とはその名の通り数学の問題を解く授業です。
注意 各大学の教員の専門分野により一部講義内容が異なることがあります。
私の大学時代のセミナー(卒業研究)での研究テーマは整数論(全員での輪講)、そして後期は大学院志望の私は整数論のテキストをみんなで輪講しながら自分の研究したいテーマ(符号理論)の基礎である有限体について一人で研究していました。(輪講の発表は整数論4回に対し有限体3回くらいの割合。当時は2週間に1回の発表だった)
注意 輪講とは一般的なゼミ、セミナー形式で、本や論文を発表者が発表しそれについて教員以下みんなで考えたり、おもに教員が間違いを指摘したり、学生等から質問があったらそれに答えるというものです。(たまに教員から質問が飛ぶとこもあります)
大学を卒業し大学院に入ると、大学院では特論という授業とセミナーがありました。大学院一回生前期は特論7コマ、セミナー1コマ、TA2コマ、院生のみでやる自主ゼミ(単位には関係ない)が隔週で1コマ(TAとは大学の授業の補佐のアルバイト。給料ももらえるし、大学内でできるので通勤時間がなくおいしいバイトです。私は通学に2時間かかっていたので学内でバイトできるのはありがたかったです)
後期は特論4コマにセミナー1コマ、TAが3コマ、院生のみでやる自主ゼミ(単位には関係ない)が隔週で1コマでした。
大学院の授業は学部と比べると本当に高度で、理解させようというよりはこんなのもあるよーという感じのものも多かったです。自分の専門の専修科目すら証明が理解できず意味不明なものもありましたから。
そういう高度すぎる授業はレポートを課してもできるわけないので、ほとんどの授業はとりあえず出席していれば単位は出ました。後期の一科目だけは鬼授業で、高度な授業にもかかわらず授業内での発表やレポートが。前期の同じ先生の授業もある意味鬼授業だったのですが、レポートを出したところ評価は良だったので後期よりマシでした(笑)
先ほども書きましたが大事なことなので2度言います。大学院の一回生のときは授業があります。大学院に入るまでは院生になると授業などないと思っていたので意外でした(院生の先輩が授業を受けているところなんて見たことなかったですから)。
大学院の修了要件は授業単位18単位、セミナーが12単位の計30単位以上です。ということは一回生の授業11コマ中最低9コマで単位を取らないといけないというかなり厳しい状況。
私は同期とレポートの相談をし締切日の19時ぎりぎりまで院生室で缶詰め状態で頑張ったこともありました。(幸い、院生室は各学年ごとに1つ与えられたため広々と使えました。)
結局落としたのは1つで20単位を取得できました(落としたのはさっき書いた鬼授業です)。これで2回生のときは研究に集中できます。
一回生のときのセミナー(週1コマ)は有限体についてみっちりやりました。本は途中の議論を省略しているところが多かったので、全くわからず指導教員にヘルプを求めてばっかりでした。
ここで私の典型的な院生生活の一日を紹介していきます!
M1(大学院一回生)のとき
4:30 起床
~5:00 朝食を食べ、用意をして家を出ます
6:45~7:00 大学着(日によって若干時間が異なる。前期は基本7:00に、後期は電車を一本早め基本6:45に着いていた)
7:00~8:30 セミナーの予習やTAの演習の授業の問題を解く時間。学生食堂の横に机とイスがあるのでそこで勉強していました。もっとも、朝早いので掃除のおばちゃんが掃除しており、「おはよう、いつも早いね。」と言われてました。もちろんこんな早くに大学に来る人は、定期試験期間を除いて約二万人いる学生の中で基本的に私一人です(笑)今は自習室が24時間完備しているらしいです。うらやましい!
8:30 院生室のカギを開けに行く
8:30~8:40 エアコンを付け送風してから冷房(夏)or暖房(冬)に。pcを起動しセッティング。
8:40~10:00 各種資料等のコピーやTAの科目の準備等の雑務(その日にTAがある日のみ)雑務がない日はTOEICや法律の勉強をしたり。
10:00~10:30 お腹がすく頃なのでパンを食べて休憩。
10:40~12:10 2限の授業。TAがある日はTA。どちらもない日は学内にある英語村へ。
12:10~13:10 お昼ごはんと休憩。
13:10~14:40 3限の授業。TAがある日はTA。どちらもない日は学内にある英語村へ。
14:40~16:20 4限の授業。授業がない日は英語村へ。
16:30 大学を出て帰ります。金曜のみ土曜が休みのため18時に出ていました。院生にしては大学に10時間も滞在しないで帰るのは早い方です(笑)同期の院生は10時過ぎに来て21時までいたらしいです。
18:30 帰宅
22:00 就寝
※再掲 一回生前期は特論7コマ、セミナー1コマ、TA2コマ、院生のみでやる自主ゼミ(単位には関係ない)が隔週で1コマ。
後期は特論4コマにセミナー1コマ、TAが3コマ、院生のみでやる自主ゼミ(単位には関係ない)が隔週で1コマ。
2回生になるとセミナーでは論文(もちろん英語)を指導教員から渡され読みます。それについてわかったことを毎週のセミナーで発表していく形式です。私は有限体の残りを1か月ほどやってから符号理論の論文を読み始めました。
その合間にTAを前期は2コマ、後期は3コマ、院生のみでやる自主ゼミを前期、後期ともに隔週1コマやって、さらに学部と大学院一回生時代に時間がなくて行けなかった教習所通いを始めました。そしてさらに、大学院のみにある教育プログラムというものを利用し、学部生時代から独学で勉強していた法律について専門科目を受講することを決意し、法学研究科(法学部の上に設けられている大学院の研究科)の民法特論ⅠA、ⅠBの二科目を前期、後期で受講。法学研究科の大学院生に混じって判例報告をするのは正直きつかったですが、単位も取得できたので満足でした。
M2のときの一日を紹介!
(前期)
4:45 起床
~5:15 朝食を食べ、用意をして家を出ます
6:45 大学着(経路を変更したため早く着くように)
7:00~8:30 セミナーの予習。
8:30 院生室のカギを開けに行く
8:30~8:40 エアコンを付け送風してから冷房(夏)or暖房(冬)に。pcを起動しセッティング。
8:40~10:00 各種資料等のコピーやTAの科目の準備等の雑務(その日にTAがある日のみ)雑務がない日はTOEICや法律の勉強をしたり。勉強や作業中は、同期の院生が来るまでpcでクラシック音楽を流しながらやってました。
10:00~10:30 お腹がすく頃なのでパンを食べて休憩。
10:40~12:10 2限の授業。TAがある日はTA。どちらもない日は学内にある英語村へ。
12:10~13:10 お昼ごはんと休憩。
13:10~14:40 3限の授業。TAがある日はTA。どちらもない日は学内にある英語村へ。
14:40~16:20 4限の授業。TAがある日はTA。TAがない日は学内にある英語村へ。
16:30 大学を出て帰ります。金曜のみ土曜が休みのため18時に出ることも。
18:00 帰宅
22:30 就寝
コマ数 授業(法学研究科)1コマ、TA2コマ、セミナー1コマ、院生のみでやる自主ゼミ(単位には関係ない)が隔週で1コマ。
(後期)
5:30 起床
~6:00 朝食を食べて家を出ます。
7:25 大学着
7:30~8:30 セミナーの予習や課題の研究、TAの演習科目のノート作り(演習科目はM1のときと担当教員が同じだったので問題はほとんど同じだった。なので予習の時間短縮に)
8:30 院生室のカギを開けに行く
8:30~8:40 エアコンを付け送風してから冷房(夏)or暖房(冬)に。pcを起動しセッティング。
8:40~10:00 各種資料等のコピーやTAの科目の準備等の雑務(その日にTAがある日のみ)雑務がない日はTOEICや法律の勉強をしたり。勉強や作業中は、同期の院生が来るまでpcでクラシック音楽を流しながらやってました。
10:00~10:30 お腹がすく頃なのでパンを食べて休憩。
10:40~12:10 2限の授業。TAがある日はTA。どちらもない日は学内にある英語村へ。
12:10~13:10 お昼ごはんと休憩。
13:10~14:40 3限の授業。TAがある日はTA。どちらもない日は学内にある英語村へ。
15:00 大学を出て帰ります。
16:30 帰宅。論文の執筆(5時間)をし合間に晩御飯等。
23:00 就寝
コマ数 授業(法学研究科)1コマ、TA3コマ、セミナー1コマ、院生のみでやる自主ゼミ(単位には関係ない)が隔週で1コマ。
論文については、私は英語より数学の内容がさっぱりだったので何がかいてあるやらわかりませんでした。なので、5月の途中に論文を変更せざるを得ない状況に。
変更した論文はまだ読みやすかったものの、そこは論文。そう簡単に理解させてはくれません。そこで指導教員の先生は私に、過去に作ったその論文の説明資料を渡してくれました。(これのおかげでだいぶ理解が進みました)
そして夏休み前にほぼ目標の定理のところまで読み終わり(っていってもあまりに進まないので目標を変えただけです)、夏休みが終わり秋のセミナーに入りました。
主定理の証明をし、10月より論文の作成に入ります。久し振りのTeX(テフ。数学論文を書くときに使う)との格闘(TAの授業でやってはいたもののほぼ1年近くのブランク)。
エラー連発で泣きそうになりながら一日5時間は家で格闘していました。院生室のPCは基本あいていないので、家でするしかありませんでした。
研究も大詰めに入った12月初め、主定理の例を自分のオリジナルな結果にしようと格闘していたところ原論文のミスを発見。セミナーの際、指導教員に報告するとこれは条件が抜けているとの指摘があり条件を追加。ちなみに最初は、自分が馬鹿で計算違いをしていると思っていました。査読された論文にミスがあるなんて通常は考えられませんから。
そしていろいろ修正をかけ12月のクリスマスイヴの日、自分のオリジナルな結果を入れた提出用論文と要旨が完成、あとは1月初めに要旨と論文を出せば、あとは発表のみです!
論文は英語で書いたので日本語版、英語版の両方あり大変でした。(修正はもちろん両方やる)
そして1月初めに無事提出、しかしミスが発覚し22日に修正した原本のコピーを副査のところに持っていきました。
1月終わりに発表。発表は質問にまともに答えられないというグダグダ状態でこんなんで審査通るのか?という状況でした。しかも発表中にいきなりスクリーンがブルースクリーンになるという前代未聞のトラブルまで!
結局、このトラブルは私がPCとプロジェクターを再接続(F_nを押しながらF_7を押してモード選択)して事なきを得ました。あのときは、発表が終わらなければ学位が取れないため、めちゃくちゃ焦りました。それでも冷静に対処できたのは良かったです。
そして3月後半に博士前期課程学位記授与式があり無事修了できました!終わってみれば修士の学位も無事取得でき、論文の評価はまさかの優でした!
学位記は、英語の論文のため日本語の副題も学位記に記載されていました。
こんな感じです!
更新遅いですが、頑張って更新していきますのでよろしくお願いいたします!